Tuesday Aug 13, 2024

としよりのおじいさんと孫

昔、とても年とった男がいました。目はかすみ、耳は遠くなり、膝はがくがくして、食卓につくと、スプーンをきちんと握ることもできなくてスープをテーブル掛けにこぼしたり、口から垂らしたりしました。息子と息子の妻はこれにうんざりしたので、結局年老いたおじいさんはストーブの後ろのすみに座らねばなりませんでした。そして二人はおじいさんに土器のどんぶりで食べ物をあげ、それも十分ではありませんでした。それで、おじいさんは目に涙をいっぱい浮かべて、食卓の方をよく見ていました。
あるとき、また手が震えて、きちんと器を握ることができなかったので、器は地面におちて壊れました。若い妻はおじいさんを叱りましたが、おじいさんは何も言わないでため息をつくだけでした。それから、息子たちはおじいさんに2,3ペンスで木の器を買い、おじいさんはそれで食べなければなりませんでした。
あるとき、こんなふうに座っていたら、4歳のちいさな孫が地面の木をいくつか集め始めました。「お前そこで何をしてるんだい?」と父親が尋ねました。「僕、小さな木鉢を作ってるの。僕が大きくなったら、お父さんとお母さんがそれで食べるから。」と子供は答えました。
男と妻はしばらくお互いに顔を見合わせていましたが、まもなく泣き始めました。それから二人は年老いたおじいさんを食卓に連れてきて、いつも一緒に食べさせました。そしてまた同じように、なにか少しこぼしても何も言いませんでした。

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