Tuesday Aug 13, 2024

天のからさお

昔、ある田舎の人が二頭の雄牛で畑を耕しにでかけました。畑へ着くと、牛の角が二頭とも伸び出して、伸び続けました。それで、お百姓が家へ入ろうとしたとき、角が大きすぎて、牛たちが門を通れませんでした。運よく肉屋がちょうどそのとき通りがかり、お百姓は牛を渡し、次のように取引しました。お百姓は肉屋に一ペック(約9リットル)の菜種を持っていく、それで肉屋は種一粒あたりブラバントターレル銀貨を一枚をはらう、というものでした。それはうまく売ったと私は言いますよ。
さてお百姓は家へ帰り、一ペックの菜種を背負っていきました。ところが途中で袋から種を一粒落としました。肉屋はお百姓に取り決め通りきっちり払いました。もしお百姓がその種を失くさなかったらあと一ターレル多くもらったでしょう。お百姓が戻るまでに、その種から木が育ち、天まで届きました。それでお百姓は、(せっかくだから、上で天使たちが何をしてるかちょっくら見なくてはな)と思いました。
それでお百姓は登って行くと、上の天使たちがから竿でからす麦を打っているのが見え、見物していました。こうして見ていたら、自分の登っている木がぐらつき始めているのに気がつきました。下を見ると、誰かが木を切り倒そうとしているのが見えました。(ここから落ちたら、えらいことになるな)とお百姓は思いました。切羽詰まって、そこに山になっていたからす麦のわらをとり、それで縄をなうよりもよい助かる方法が思い浮かびませんでした。また天国であたりにちらばっていたクワとから竿もつかみ、縄をつたって下りました。しかし、地上の深い深い穴のちょうど真ん中に下りてしまいました。それで、クワをもってきたのはもっけの幸いでした。というのはお百姓はそのクワで掘ってひとつづきの階段を作り上へ登りましたから。それから真実の印として、から竿をもっていきました。それで誰もお百姓の話を疑うことができませんでした。

このエピソードはPodbean.comがお届けします。

Copyright 2024 Podbean All rights reserved.

Podcast Powered By Podbean

Version: 20240731