Tuesday Aug 13, 2024
狐とがちょう
あるとき、狐が太ったガチョウの集団がいる草原にきました。狐はにんまりし、「ちょうどいいタイミングで来たよ、君たちはとても見事にそろっているもんだ。それでおれは次から次へと君たちを食べていけるよ。」と言いました。ガチョウたちは恐怖でクワックワッと鳴いて跳び上がり、嘆き悲しんで哀れっぽく命乞いをしました。しかし狐は何も耳を貸そうとしないで「情けは無い。お前たちは死ななければならないな。」と言いました。
とうとう1羽が気を取り直して、「もし私たちガチョウが、命を差し出さなければならないなら、一つだけ願いを聞いて、罪の中で死ななくてもよいようにお祈りさせてください。そうしたら一列に並んであなたが一番ふとっているのをいつも選べるようにします。」と言いました。
「いいだろ。筋が通った話だ。信心深い頼みだな。祈れ、終わるまで待ってやる。」と狐は言いました。
すると最初のガチョウが、たっぷり長い祈りを始め、いつまでもガッガッといっていました。そして終わりそうもないので、2番目のガチョウは自分の番が来るのを待たずに、ガッガッと始めました。3番目と4番目も続いて鳴き出し、まもなく全員が一緒にグワッグワッと鳴いていました。
ガチョウがお祈りを終わったらお話は続けられるんですが、今のところ、まだ止まずに祈り続けています。
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